特集!阿賀野川ものがたり第1弾「イザベラ・バードの阿賀流域行路を辿る」その①イザベラ・バードの生涯と日本奥地紀行について〔前編〕

2014.8.13スライダー:特集1イザベラバードの阿賀流域行路を辿る
 

「イザベラ・バードの阿賀流域行路を辿る」その① イザベラ・バードの生涯と日本奥地紀行について〔前編〕

 
「阿賀野川え~とこだ!流域通信」では、阿賀野川流域の歴史や文化の光と影の中から毎回題材を1つ選び、当時の貴重な写真や資料を織り交ぜながら、1~2か月近くに渡る「特集!阿賀野川ものがたり」を年3~4回組んでいきます!
 
そして、先週に予告しましたとおり、今週からはその第1弾「イザベラ・バードの阿賀流域行路を辿る」をお送りします。なお、第1回目となる本記事では少し予定を変更しまして、今回の特集の主人公であるイザベラ・バードと日本の旅行の全体像について簡単にご紹介します!
 
実は歴史をほとんど知らない「阿賀野川え~とこだ!流域通信」事務局の若輩者が、本記事の執筆を担当しておりますため、事実や解釈の誤認が多々あろうかと思います。恐らく執筆者より史実に詳しい読者の皆さんにおかれましては、様々な誤認等を指摘をしていただくと共に、ご感想などもいただけますと幸いです。
 
 

病弱だったイザベラ・バード、転地療養を機に旅行作家へ

 
イザベラ・バード(Isabella Lucy Bird)は1831(天保2)年10月15日に、イギリスのヨークシャーで牧師の長女として生まれ、1904(明治37)年に73歳の誕生日を目前にして死去しました。旅行家という活発なイメージとは裏腹に幼少期の頃から病弱だったらしく、旅行作家としてデビューするきっかけも、1854(安政元)年に医師から勧められたアメリカ・カナダへの7か月にも渡る“転地療養”を兼ねた旅行でした。
 
イザベラバード Isabella_Bird-mini
 
その後、オーストラリアやハワイ諸島、北アメリカのロッキー山脈など世界を股にかけて旅しますが、47歳になった1878(明治11)年に日本への旅行を決行し、1880(明治13)年にはその旅行記「Unbeaten Tracks in Japan」(日本奥地紀行)を出版し絶賛を博します。本の出版直前に最愛の妹を亡くして悲しみにくれますが、その妹の侍医だったジョン・ビショップ氏と翌年に結婚しました。
 
その後、敬虔なキリスト教徒だったバードはインドやチベット方面へ旅行し、各地に病院を創設するなど医療伝道に力を注いだほか、王立地理学協会の女性初の特別会員に迎えられ、ヴィクトリア女王にも謁見します。60歳を過ぎてなお、動乱の朝鮮半島や中国大陸を駈け巡るなど活動は旺盛でしたが、1901(明治34)年のモロッコ方面への旅行を最後に、約3年後にエディンバラで生涯を閉じました。
 

◆イザベラ・バード略年譜

1831年(天保2年)0歳
   10月15日に、イギリスのヨークシャーで牧師の長女として生まれる。その3年後に、最愛の妹ヘンリエッタ誕生。
1854年(安政元年)23歳
   医師の勧めでアメリカ・カナダ旅行へ出発。初の本格的な大旅行(6ヵ月)。この2年後に本を出版し旅行作家デビュー。
1872~73年(明治5~6年)41~42歳
   イギリスでの定住先を失い体調も悪化したバードは、オーストラリア、ハワイ諸島、北米ローキー山脈への大旅行を決行。
1878年(明治11年)47歳
   日本への大旅行を決行。5月に上陸し、有名な北日本の踏査後は、関西方面へも旅行するなど、12月まで滞在した。
1980年(明治13年)49歳
   妹死去。「Unbeaten Tracks in Japan」を出版。翌年、妹の侍医だったビショップ氏と結婚(5年後に病没)。
1889年(明治22年)58歳
   インド・チベット方面への大旅行に出発。各地で亡き妹と夫を記念して病院を創設するなど、医療伝道に尽力。
1892年(明治25年)61歳
   王立地理学協会の女性初の特別会員に迎えられる。翌年、ヴィクトリア女王に謁見。
1894~96年(明治27~29年)63~65歳
   日本にも立ち寄りつつ、動乱の朝鮮半島や中国大陸を駈け巡る。後に朝鮮紀行を出版。
1904年(明治37年)72歳
   10月7日、イギリスのエディンバラで死去。

 
記事が長くなりましたので後編に続きますが、この後22時に公開予定です!
 

イザベラ・バードの阿賀流域行路を辿る 連載記事一覧

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特集!阿賀野川ものがたり第1弾「イザベラ・バードの阿賀流域行路を辿る」その①イザベラ・バードの生涯と日本奥地紀行について〔前編〕 1件のフィードバック

  • 笹山原伸様のコメント: 2022年2月26日

    驚きました。イザベラバードの「日本奥地紀行」を再度読み進めながら、グーグルマップで地図を確かめながら愛読していました。偶然出会ったこちらの紹介記事に驚くとともに感動しています。益々楽しくなりました。

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