第25回新潟水俣環境賞作文コンクール優秀賞受賞作品の全文を掲載します!


(写真提供:新潟水俣病被害者の会)
 
新潟水俣病被害者の会と新潟水俣病阿賀野患者会は6月、「第25回新潟水俣環境賞作文コンクール」の受賞作品を発表し、2名の方々が優秀賞を受賞されました。同コンクールは、新潟水俣病被害者の「こんな苦しみは自分たちだけでたくさんだ。子や孫に同じ苦しみを味わわせてはならない」という切なる思いから、次代を担う子どもたちに身の回りの環境に関心をもってもらおうと、県内小・中学生を対象に毎年開催されています。作文テーマは「新潟水俣病」や「身の回りの環境」などで、今回は194点の応募がありました。なお、今回の優秀賞は下記のとおりです。
 

◆優秀賞を受賞された皆さんと作品テーマ

 
優秀賞2作文の全文は下記に掲載します!
 

(写真提供:新潟水俣病被害者の会)
 

小学校5・6年生の部

 

差別をなくすために

中村 琴音さん(小千谷市立東小千谷小学校5年)

 私は、総合的な学習の時間や社会の学習で、新潟水俣病について、パソコンを使って調べました。その中で、特に印象的だったことが、動物も水俣病になることです。えさに魚を混ぜて与えた家では、ぶたやにわとりなどの家畜も狂ったようになって死んでしまったりしました。
 わたしは、授業で水俣病を学習するまでは、水俣病を知りませんでした。初めて、水俣病についての動画を見たとき、正直とてもこわかったです。その理由は、いろいろな症状があったからです。視野が狭くなって見えないことや手足のしびれ、めまいがする、耳が聞こえない、妊娠している赤ちゃんにうつるなどの症状がありました。その症状は一生治らないと聞いて、びっくりしました。そして、とても怖い病気だと思いました。
 十月に、環境と人間のふれあい館に行きました。そこで、水俣病はどんな病気なのか、なぜ被害がくり返されたのか、くわしく学んできました。例えば、新潟水俣病になった患者さんは、「ニセ患者」、「金目当て」などの差別や偏見を持たれてしまいました。学校や就職するとき、仕事でも、結婚をするとき、差別をされたりや偏見を持たれたりして、仕事や結婚が出来なくなりました。私が同じ立場だったら、とても悲しく耐えられないです。
 そして、十一月に、曽我浩さんから話を聞きました。そこで、「生活がしづらい」ときいたので、「やっぱり大変なんだな」と思いました。
 私は、たくさんのことを聞き、水俣病は本当につらいことを学びました。
 この学習を通して、これから私は、「差別をしない」という考えではなく、「差別に反対する」意識を持てるような人になりたいです。また、水俣病についての活動には、出来るだけたくさん参加して水俣病の患者の助けになりたいです。また、つらい思いをしている人を励ましたいです。
 実際に学校で動画を作ったり、パワーポイントを作ったり、ポスターや、チラシを作りました。そして、小国小学校の五年生とズームで水俣病を知ってもらうために交流をしました。私はポスターを作りました。例えば、ポスターは、みんなが通る廊下に貼ったり、チラシも、みんなに見てもらえるように保護者と全校のみんなに配ったり、工夫をしました。ポスターや、チラシを作った理由は、まだ水俣病を知らない人にも水俣病を知ってほしいからです。そして、他の人にも、水俣病患者で偏見を持たれたり、差別で苦しんだりしている人がいることを、知ってほしいからです。正しい事実を知って、偏見を持つ人や差別が減ってほしいと思います。
 


 

助け合うことが大切

堤 日和さん(新潟市立東青山小学校5年)

 私が新潟水俣病のことを知り深く心に残ったことは、差別などに立ち向かいながら頑張って生きてきた人達の姿と、その裏で患者を励ましたり支えてきた人達の姿です。
 私は新潟水俣病にかかってしまった人達がお互いに励ましあったりフォローしあってる話を聞いて自分だったらどうしていただろうと考えました。
 差別は決して許されることはないけれどなぜ差別をしてしまうのでしょうか。
 差別を生んでいるのは「事実を知らない」ということ。
 それは、相手がどれだけ辛いのか知らないからです。私はいつも自分がされていやなことは絶対にしないと決めています。
 私は新潟水俣病から学んだことが2つあります。
 まず1つ目は生活している中で困っていそうな人をみつけその人を助けるということです。
 しかし意識をしていないと困っていそうな人を見過ごしてしまう時があります。
 実際私は困っている人を見つけても助けたい気持ちはあるけれどもなんとなく恥ずかしくて助けられなかったことがありました。
 けれども私はこれからは周りの人の視線など気にせず自分が正しいな、誰かを助けられるなと思った事は恥ずかしがらず、すぐに行動に移せるようにしたいです。
 そして2つ目は、言葉や行動は人の命をうばってしまうこともあるけど逆に助けることができるということです。
 語り部さんの先生が「次の日も負けずに学校に来なさいよ」という言葉にものすごく心が温まって語り部さんの生きる希望になったというお話がありました。
 新潟水俣病の人だけに限らず、自分の身の回りでも差別などをされている人達の事を少しでも想像して気持ちに寄り添う事で、相手の立場がわかって言葉や行動に活かせることができます。
 差別をされている人達を助けたら自分も嫌なことをされそうと思う人が中にはいると思います。
 でもそんな時は、同じ様に助けたいと思う気持ちを持った仲間を増やす事が大切だと思います。
 今の時代はSNSで様々な人達の考えや気持ちを知ったり、伝えたりする事ができるので相手の立場や辛さを知る事ができるようになってきます。
 私は病気にかかってしまった人や差別や辛い思いを直接知らなくても、少しでも心を寄り添えたり、支えられる人になりたいと思います。
 今回、決して目をそらしてはいけない歴史を学ぶ事ができ私は正しい知識を知り、学び、考えて行動していきたいと思います。
 
  

第25回新潟水俣環境賞作文コンクール

  • 主催:新潟水俣病被害者の会、新潟水俣病阿賀野患者会
  • 後援:新潟県・県教育委員会、新潟市・新潟市教育委員会、阿賀野市・阿賀野市教育委員会、五泉市・五泉市教育委員会、阿賀町・阿賀町教育委員会、長岡市・長岡市教育委員会、上越市・上越市教育委員会、三条市・三条市教育委員会、柏崎市・柏崎市教育委員会、新発田市・新発田市教育委員会、小千谷市・小千谷市教育委員会、加茂市・加茂市教育委員会、十日町市・十日町市教育委員会、見附市・見附市教育委員会、村上市・村上市教育委員会、燕市・燕市教育委員会、糸魚川市・糸魚川市教育委員会、妙高市・妙高市教育委員会、佐渡市・佐渡市教育委員会、魚沼市・魚沼市教育委員会、南魚沼市・南魚沼市教育委員会、胎内市・胎内市教育委員会、聖籠町・聖籠町教育委員会、弥彦村・弥彦村教育委員会、田上町・田上町教育委員会、出雲崎町・出雲崎町教育委員会、湯沢町・湯沢町教育委員会、津南町・津南町教育委員会、刈羽村・刈羽村教育委員会、関川村・関川村教育委員会、粟島浦村・粟島浦村教育委員会、新潟日報社、朝日新聞新潟総局、毎日新聞新潟支局、読売新聞新潟支局、産経新聞新潟支局、NHK新潟放送局、BSN新潟放送、N S T新潟総合テレビ、TeNYテレビ新潟、UX新潟テレビ21、FM新潟77.5 、FM KENTO、ラジオチャット・エフエム新津、エフエムしばた、FMゆきぐに・雪国新聞、燕三条エフエム放送、エフエム角田山ぽかぽかラジオ、エフエムとおかまち

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