パネル巡回展について
★パネル巡回展「阿賀野川と共に生きたあの頃~風土と歴史が織りなす光と影~」
河道の変遷やダシの風など、阿賀野川中流独特の風土が生み出した、特色ある地場産業の歴史を丹念に掘り起こしたパネル展です。草水石・安田瓦・川砂利・酪農・船頭・漁業…。これらの地場産業が昭和の高度成長期に発展を遂げた後、新潟水俣病が表面化した昭和40年代を境に急激に変化し、やがて現在に至るまでの光と影の歴史をご覧いただき、阿賀野川流域の現状とその未来に想いを馳せていただければ幸いです。
◆阿賀野川中流域で初めてのパネル巡回展を開催!
FM事業では初めて、阿賀野川中流域を舞台としたパネル巡回展が、平成23年度に開催されました。
今回の展示作品は「阿賀野川と共に生きたあの頃~風土と歴史が織りなす光と影~」。前回までは上流域を舞台に「草倉銅山」「昭和電工」などの題材を取り上げてきましたが、FM事業が主な活動の舞台を中流域に移したことに合わせて、本パネル巡回展では中流域独特の風土と歴史が生み出した地場産業の光と影の歴史を皆さんにご覧いただきました。
このパネル展で描き出された阿賀野川中流域の光と影の歴史を通して、それぞれの地域の過去を見つめ直していただくと共に、疲弊する流域の現状を打破しようと試行錯誤する現在の地場産業の方々の奮闘を通して、流域の未来について皆さんとご一緒に考えを深めていただくために、本パネル巡回展は企画されました。
>>さらに詳しく:パネル作品「阿賀野川と共に生きたあの頃~風土と歴史が織りなす光と影~」
展示会場のご紹介
◇中流域の施設など、過去最多14施設が展示会場に!
3回目を迎えた本パネル巡回展では、FM事業が中流域に舞台を移したことから、宿泊施設や温泉施設だけでなく新たに公共施設も多く参加し、最終的には下図のとおり前回を上回る14施設が展示会場となり、流域内外の大勢の方々からご観覧いただくことができました。
なお、本巡回展でも、通常サイズのパネル(A1サイズ:841mm×594mm)とは別に、一回り小さいミニサイズ(A2サイズ:594mm×420mm)のパネルも制作したことで、小規模な展示スペースしかない施設でも展示してもらうことが可能になりました。
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五泉市立図書館 | 咲花温泉望川閣 | 阿賀野市立図書館 |
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安田温泉やすらぎ | 道の駅「阿賀の里」 | 五頭山麓うららの森 |
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水原ふるさと農業歴史資料館 | ||
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保健福祉センター京和荘 | 村杉温泉長生館 | 宝珠温泉保養センターあかまつ荘 |
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咲花温泉碧水荘 | 水原郷病院 | 阿賀野市安田公民館 |
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さくらんど温泉 | ||
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来場者の感想について
地域の潜在的な力を、あらためて発見する
- 読み始めたら止まらなくなった。とても良かった。(50代・新潟市)/今昔の思い、感無量である。(80代・五泉)
- とても素晴らしいパネル展示だった。こんな素晴らしい阿賀野市が何故有名になれないのか!?とても不思議だと感じる。(10代以下・安田)
- 楽しく遊んだ川、あの帆掛け舟…今も鮮明に思い浮かぶ。(70代・五泉)
- 現在も残っている地場産業を大切にしていきたいと感じた。(70代・五泉)
- どの地域にも歴史と風土があり、先人のたゆまぬ研究と努力が伺われる。保田にも原料の粘土が豊富にある事が努力により発見され瓦産業が発展した。建物の建築様式も変わり、雪国では止むを得ない点もあるが、いい品物はなくなる事はないと思う。(70代・新潟市)
- 阿賀野川中流域はピンチをチャンスに変えられる底力のある流域であることを再認識できた。自然の恵みが豊かだからこそ流域は発展してきたのだから、かつての美しい自然を再び取り戻す活動が大変素晴らしいと感じる。(20代・村松)
パネル展示の活用や今後の取組への期待
- あまり知られていないけど、地道に自然体で取り組んでいるのに感動した。(50代・新潟市)
- 今後の時代に残すべき大事な取組だと思う。(60代・安田)
- 地道な活動に感謝しています。伝統と歴史を残してほしい。(60代・五泉)
- より多くの人に知ってもらう必要を感じた。小中学生への郷土学習の教材としての活用もある。(50代・五泉)
- 現代に至る時代の流れの中で失われていく、かつての流域の暮らしや人々の考え方などを、今を生きる大勢の人々が共通して抱えていくことが大切と思われた。今後とも関係するパネル展の開催を期待する。(70代・阿賀町)
- このパネル展示を他地域でも見てもらい、川と地域との密着性を感じ取ってもらいたい。(60代・新潟市)
- 渡し場のパネルも欲しかった。村々でも川向うの生活などもあった。いわゆる生活の滲み出るパネルを期待する。(60代・五泉)
- パネル展を通して、時代の流れと共に問われ続けている現在の教訓を、後世において生かすためにも、未来に向かっての方向付けとして行動されることを期待したい。(70代・阿賀町)
新潟水俣病の被害者への思い、公害を繰り返さないための祈りや教訓
- 水俣病は最近習ったので可哀相だと思った。(10代以下・安田)
- 今後同じ事が起こらないことを祈りたい。(20代・笹神)
- 水俣病が起きて大きな被害を受けたので、もう起きないでほしいと思った。(10代以下・新潟市)
- あの清らかな阿賀野川で毎日遊び魚を取って食べた楽しみがあった。あの頃考えもしなかったが、こうして水俣病の被害が広がるなんて…。(70代・五泉)
- 当時の人はこのような事態になるとは夢にも思っていなかったのだろう。被害者の救済をもっと早くしてほしかった。(50代・水原)
- 近くにいても水俣病のことはほとんど聞こえてこない。差別や偏見をおそれ声も上げられずにいるのだろうなと思う。(40代・五泉)
- 水俣病の被害者の皆さんの心の傷が早くふさがるように願う。今メディア等でも水俣病について取り上げているので、皆さんの理解につながってほしい。(20代・京ヶ瀬)
- 高度成長期の効率化、生産性の向上、一生懸命取り組んだ結果の矛盾。政治による指導や舵取りの重要性を感じる。(60代・新潟市)
- 産業・経済優先主義が阿賀野川で起こした悲劇が、今回の原発事故にも通じているようで(風評被害の点なども含め)、決して古びていない問題だと思った。(40代・新発田市)
- 今回のパネル展を見学して、現在の福島が抱える問題をどう乗り越えていくべきか、深く考えさせられた。今後のプロジェクトの活動に注目していきたいと思う。(40代・福島市)
自然との付き合い方の難しさを考える
- 人間と自然の調和がいかに大切か痛感した。(50代・笹神)
- 人間が1つ間違うと、地域の人達の健康だけでなく、その川の環境も変えてしまい、元に戻るのに大変な時間と労力がかかることを知った。(50代・新発田市)
- 共に生きる大切さと、自然の大きな恵みに感謝して共存する難しさを、感じた。(50代・新発田市)
- 草水石とはどんな石なのか見てみたいと思った。環境を守ることと産業はうまく手をつないでいかないと、これからの人達に残すものがなくなってしまうと感じた。(60代・新潟市)
- この大河は宝だ。子どもの頃会津に行く時、汽車の窓から外を見っぱなしだった。この景観が今後も壊れないよう願いたい。(60代・五泉)
- 継続できる方法と全国ブランドが、今後の取組におけるキーワードだと感じた。平成生まれの次世代は身近な川でも馴染みがなく、彼らにどうやって川が生活の一部なのかを伝えれば良いのだろう…。(40代・水原)
負の歴史も含めて、新たな価値を生み出す、という流域の未来
- 「阿賀野川のおかげで…」という特色を公害の影響で出せないでいるという指摘に、前から薄々と感じてはいましたが「やっぱり!」と思った。しかし、中流域の現状に力強さを感じたので、大丈夫!(50代・安田)
- 県外出身者なので、新潟水俣病という名を聞いたことはあっても、この地域の歴史は全く知らなかった。阿賀野川は光と影の歴史を持つが、地域の宝物であると初めて感じた。(30代・笹神)
- 地域の負の歴史もひっくるめて宝ものを探し、新たに創り出していこうとするところに大変大きな意義を感じ、応援したくなった。(30代・笹神)
- 地元の特産物をアピールし、地元のみならず全国に広めて、阿賀野川や水俣病についての理解がたくさんの方に伝わってほしいなと思った。(20代・京ヶ瀬)
- 地域の遺産をどう生かすかが鍵だと思う。例えば津川は伝説を観光にうまく結びつけていると感じる一方で、五泉市の巣本地区のチューリップ畑は他に類を見ない特色があるにも関わらず十分に生かし切れていないように思える。行政側が地域の特色を理解し、それを大胆に推し進めていく必要があるかも知れない。(40代・福島市)